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by siroichigoy

渡辺智美のモノガタリ 第1話

「はぁぁ~~~・・・。」

オフィスビルらしき建物から出てくるや否や
大きくため息をついて項垂れる少女が一人。

「・・・やっぱ、落ちたよねぇ、ありゃ。
 結果なんて待つまでもなく。」

彼女の名前は渡辺智美。
生まれも育ちも香川育ちの
3度の食事よりもダンス、そして目立つ事が
なによりも大好き、という点を除いては
どこにでもいる様なイマドキの中学3年生である。

その彼女、芸能事務所で大々的に売り出すミュージシャンにつく
バックダンサーのオーディションをうけるべく
はるばる大阪までやって来ていたのであった。

「大体、見る目がないのか、先見の目・・・だっけ?
 それがないのよねー。最近の審査員。
 どこに行ってもおんなじ理由言っちゃって。」

彼女、こういったバックダンサーオーディションに
今回以外にも数回応募しておりいずれも書類、PV審査等の
一次審査は全て通っているのだが
いずれも二次以降の、対面審査で落とされており
その理由が

「君自体は悪くない、いや、いい物は持っていると思う。
 ただ、これはバックダンサーのオーディションなんだ。
 それを考えるとね・・・ちょっと前面に出てきすぎるんだよね。
 メインを喰うほどではないにしろ、それではちょっとバックダンサーとしては・・・ね。」

「資質認めてくれてんだったら、別にバックダンサーで拘らず
 個別に手を打ってくれてもいいじゃない。資質に加えこんなに可愛いのにさ。」

あまりにも行く先行く先で同じ理由を言われるので
ついついカチンと来た彼女。審査員とついつい言い争ってしまったのだ。

「とはいえ、ソロで踊って歌うってのはないしね~。かといって。」

それならと普段供にしている
ダンス友達等を共に夢に誘うも

「ゴメーン。やっぱ高校くらいは出ておきたいしさ~。」

「私智美みたいにそこまで上手くないし・・・そこまで踏み込む勇気がないよ~。」

「う~ん。ダンスは好きだけど、これで食べて行こうとは思ってないんだよね~。」

と、どうやら好きではあるが思い入れ自体には開きがあった模様。
やはり仕事にするともなると人の人生が関わってくる訳で
それを無理強いするわけにも行かず断念。

「ん~。タイミング的にも今回が最後だよね。
 あ~・・・。とりあえずは普通に高校生活かぁ・・・。」

などととぼとぼ地元へ戻るべく足を運んでいる最中
大きな人だかりが目に付いた。

「ん?なになに、この人だかり?」

そこは府立の体育館。入り口前の掲示板のポスターに
その人ごみの原因がわかった。

「女子プロレス『闘姫伝』大阪本格上陸記念興行?
 ああ、なんか名前はクラスの男子が言ってたのは聞いた事あるかも。」


『闘姫伝』
福岡に本拠地を置く女子プロレス団体。
設立8年と歴史は浅いが、ここ数年で勢いをつけてきている団体で
最近では「東の新女、西の闘姫」とまで言われ始めている団体。
最近になって、興行を本格的な全国展開を行うに当たって
事務所を福岡から大阪に移転し、その記念興行が今回の興行に当たった訳だ。


「あれ、この人ってこの前オリコンでチャート一位になってた人じゃない?
 プロレスラーだったんだ・・・。って、え?この娘ってグラビアアイドルじゃなかったの!?
それにこの娘もバラエティー番組で見た事あるし、こっちの人はCMに出てたような・・・。
・・・へ、へ~・・・。そんなに女子プロレスって影響力あるんだ・・・。」





彼女が女子プロレスの、この団体の人気に
目を丸くして驚いていたその数時間後
その驚愕の元となった団体、闘姫伝の事務所にて・・・。

「社長―。社長―。」

「・・・ん?何だ。スカウトの神城くんじゃないか?
 何かいい情報でも入ったか?」

「ええ、提携先の芸能事務所から連絡ありましたよ。
 バックダンサーオーディション受けに来た中で
あちらでは不合格らしいんですが
 いいアイドルレスラー向きの娘がいるって連絡がありましてね・・・。」
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by siroichigoy | 2010-10-01 02:37 | 渡辺SS