レッスル川柳掲載許諾番号21504お笑い等、ブレもありますがレッスルの話題がメイン。愛の軍団名「さばいばるだんす」当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。(c)2006 松永直己/SUCCESS


by siroichigoy

小町SS相羽Ver「Starlight Bridge」

ある日の夜、とある女子プロレスのジム内のリングにて。

ズゥゥゥン。

そのリング内で実戦形式で技の練習している二人の選手。

1人の選手が仕掛けたジャーマンスープレックスが決まった所で、一旦休憩に入ったようだ。

「いたた・・・。うん、かなりサマになってきたよ。和希♪」

ジャーマンを受けたほうの少女がもう1人の少女に声をかける。

「そ、そうですか?ありがとうございます♪ちづる先輩!」

和希と呼ばれた少女が深々と礼をする。

「これならあの興行には間に合いそうだね。いけるよ?和希♪」

※注(Moreより、和希視点からのお話になります。)



焦っている。

ボクの名前は相羽和希。このプロレス団体に今年入団した新人レスラー。

4月に入団して、もう11月、学生時代とは全然違ったプロレスラーとしての生活はあっという間に感じた。そしてこの半年という期間にボクが焦っている原因があった。

武藤めぐみ、結城千種。

ボクと同期入団の二人、といってもめぐみちゃんはスカウトで入団、千種ちゃんもテスト生の中でダントツトップの成績で入団を決めていた。

でも当時はそんなの気にしていなかった。形は違えど同期入団、スタートラインは一緒だと思っていた。

だけど、現実はそうじゃなかった。

同じ練習をしても二人の成長は、ボクよりもグングン吸収していって、今では先輩たちとも互角の試合をしている。それにひきかえ、ボクはずーっと第一試合のポジションから抜け出せずにいた。

社長や先輩達は優しいから「ボクのペースでやっていけばいい。」って言ってくれてるけど、そう簡単に思えないよ。

「はぁ~・・・。やっぱりボクには向いていなかったのかな?」

練習の終わったジムの片隅で、無意識に溜息をついていた。

「な~に悩んでるの?和希。」

「ひゃっ!! あ、ちづる先輩・・・。」

不意に後ろから声をかけられて少しビックリした。振り返るとそこにはボクの一期先輩のちづる先輩がいた。

「な、なんでもないです。少しここで休憩してただけですよ。」

と、ごまかしてみるが

「なにやら、向いてないって言ってたみたいだけど?」

う、全部聞かれていたみたい・・・。ごまかせないと思ったボクは全部素直に相談する事にした。

「やっぱり気にしてたんだね。たしかにめぐみも千種も強いよ。最近は私も負けることもあるもん。」

「はい、意識しすぎちゃ駄目だってわかってるんですけど、やっぱり焦ってしまって・・・。」

「うーん、これはもう、その悩みを解決するには一つしかないね。」

「え?解決の方法?教えてください!先輩!」

「答えは簡単だよ。あの二人に勝つ事。ちょうど来月の年末興行で私と和希で二人とのタッグ戦があるじゃない。そこなんかどう?」

「え、ええっ!?無理ですよ。二人に差を開けられて悩んでるんですよ。勝てたらこんなに悩んでないですって!」

「わかってるよ。そ・こ・で・新技よ♪幸いめぐみも千種も技はまだまだレパートリー少ないでしょ?ここで大技をマスターして二人を脅かしてやるのよ♪」

あ、この流れはもしかして・・・。

「ふっふっふっ~ん♪いやー、和希は入団した時からジャーマンが似合うって思ってたんだよ。
よーし、じゃ、これから早速毎日特訓ね♪」

やっぱりジャーマン・・・。流石キャッチコピーが「ジャーマン娘」なだけあるなぁ。



でも新技かぁ・・・・アイデアは悪くないし、なによりちづる先輩がこんなに親身になってくれてるんだ。

「はい、宜しくお願いします!!ちづる先輩」

こうしてちづる先輩との夜のジャーマン特訓が始まった。





悩んでいた時期よりも、何かに熱中していると時間が経つのは更に早く、あっという間に年末興行の日を迎えた。

そして今、ボクはリングの上。今まさに試合が始まるところだ。

「むこうはめぐみから出てくるみたいだね。サポートや繋ぎは私にまかせて、今日は和希が決めるんだよ♪」

「は、はい!ありがとうございます。」

ちづる先輩から声をかけてもらい、返事をしたところでゴングが鳴った。

「はあぁっ!!」

挨拶代わりにめぐみがエルボー。ボクもチョップで応戦。

打撃の応酬はめぐみに分がある。そう思って自分のペースに持っていくべく正面から抱きつき、フロントスープレックスを放つ。

これくらいではめぐみも動じない。投げ合いに持ち込ませまいと、すぐに立ち上がりその場でドロップキックを放った。

反動でロープ際まで飛ばされる。でもその反動を利用してひとまず先輩とタッチ。

めぐみも千種と交代。スタミナを回復しつつ二人の試合をじっと見る。

やはり二人とも投げの技術はボクよりも高い。やっぱり決めるならめぐみにかな・・・?

一年の長があるちづると、相羽は気合でその後も試合は白熱した展開を見せる。

そして20分を過ぎたあたりから、やはりここは最初から飛ばしている事もあってからか、相羽に疲れが見えてくる。

そしてそこを見逃さないめぐみ。エルボーからローリングソバットとラッシュでたたみかけて来る。

そしてフェイバリットとしているジャンピングネックブリーカーを狙い、相羽をロープに振る。

丁度、ロープに押し戻される所、折れそうになっていた相羽の心にちづるが叫ぶ。

「和希!!今だよっ!!」

この一言で目が冷めた相羽。首を取ろうとしためぐみの腕を体勢を低く取りかわし、そのままの体勢でめぐみの背後に回りこむ!

そして素早くめぐみの腰を捕らえ

「うわあああぁっ!!」

ズゥゥゥン!!

角度は浅いが、高速で鋭い勢いのジャーマンがめぐみの後頭部を襲う!!

ワン!

カウントが入る。ちづるには注意していたのだろうが、相羽の予想外の一撃に対応が遅れるめぐみ。

ツー!

「めぐみっ!!」

千種がカットに入ろうとするが、ちづるが上手い。助言後には千種に注意を払っていたのだろう。

「千種、やらせないよっ!」

回り込んでいたちづるが千種のカットを阻止!!

スリー!!

「只今の試合、22分30秒、ジャーマンスープレックスホールドで永原、相羽組の勝利!!」

「・・・・・・・・・勝った・・・・・・・・・。」





あれから月日がたち2年目の4月を迎えた。

あの勝利があってか、あれからも何度かめぐみ、千種と対戦する機会が増えた。

流石にマークがきつくなったのか、あれからはジャーマンも警戒され、勝敗は黒星が先行。

でも、もう落ち込まない。

ちづる先輩はあれからも「さらに磨きをかけるよー♪」といって特訓に付き合ってくれている。

それに、今年の新人の教育係を任されたんだ。

ちづる先輩にしてもらったようにボクがこれからは後輩の悩みなんかも聞いていかなきゃいけないんだ。

そして今日、実は新人の子達との初顔合わせ。

「後輩かー。どんな子なんだろ。楽しみだなぁ♪」

と楽しみにしているとノックが。

「おーい。和希君。今、大丈夫かな?」

「は、はい!!」

扉が開き社長の後ろには二人の女の子が。

「休んでるところすまないな、この2人が先日言ってた、新人の子達だ。和希君、色々と教えてやってくれ。宜しく頼むぞ。じゃあ本人達に自己紹介でもして貰おうか。」
[PR]
by siroichigoy | 2008-06-05 03:21 | レッスルエンジェルス