レッスル川柳掲載許諾番号21504お笑い等、ブレもありますがレッスルの話題がメイン。愛の軍団名「さばいばるだんす」当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。(c)2006 松永直己/SUCCESS


by siroichigoy

小町SS美月Ver「何よりも難しい問題」

普通に受験勉強をし、高校、大学へ進学。

他のみんなと同じように就職活動をし、それなりの会社に就職。

私はこんな性格ですから、恋愛もせず、それ相応の年になればお見合いなどを進められ

よほどでなければその人と結婚し、一般的な家庭を築くでしょう。

と、私は将来の事について考えていました。

面白くない人生といえばそれまでですが、大多数の人間はこういった一般的なレールの上を歩

んでいくと思っています。もちろん、私も類を漏れず。と言う訳ですが。

まあ、それもつい最近までの事ですが。



私の名前は杉浦美月。

中学三年となり、皆が受験勉強に勤しむ中、私もその類に漏れず受験生としての生活を送って

いました。

そんな中、私の人生を大きく変える事になる出会いをしたのはこの時あたりでしょうか。

受験勉強と言う事で夜遅くまで付机に向かっていた所、ふと気分転換にと思い部屋のTVをつけ

た所、映し出された番組が

「・・・プロレス・・・、ですか?」

女子プロレスの中継。TVの中では、少し上と言ったところだろうか、自分とほとんど年齢の変わ

らない娘達がリングの上で闘いを繰り広げている。

大事な一人娘と言う事で護身術として柔術の道場に通っている私は、近い年代の女の子達が

闘っている姿に少なからず興味を持った。

「・・・まあ、気分転換にはなるでしょうね。」

そんな感覚で見はじめたプロレス中継だが見ていくうちに、他のスポーツにはない独特のエンタ

ーテイメント性の魅力に引かれていき、中継のある日はこれを見る為に勉強を伸ばす事もあっ

た。

そういう生活を続けてもう季節は年の瀬。私も志望校に向け追い込みをかけていた。

そんな中、いつもの団体の中継も年末興行として特番が組まれていた。

いつもは時間の都合上、メイン級の試合しか放送されないのだが今日は一興行の全試合を放

送するらしい。

試合が進む中、次の試合は

「あ、この選手達は・・・。」

あれからこのだんたいのことを雑誌やインターネットで色々と調べてみた。

これからタッグマッチを繰り広げる4人のうち3人は私と一つしか違わない、つまりは今年デビュ

ーしたばかりの新人なのだ、

それが、あんなに大きな会場一杯の観客から声援を受けている。凄い物だ。

片側のペアは武藤選手に、結城選手。一年目ながら素晴らしい上達を見せ、最近ではこの中

継でもペアとしてよく見かける。

もう片方のペアは永原選手、相羽選手のペア。永原選手はこの3人より一つ上で、実力はまだ

若手クラスだが、綺麗なジャーマンで大物食いも見せる人気のある選手だ、

もう1人、相羽選手は武藤選手、結城選手と同期の新人だが二人には差をつけられ、前座試合

が多いので、正直彼女の試合は初めて見る。

妥当に考えれば、武藤選手、結城選手のペアだろう。この二人タッグの息が素晴らしいし、シングルでも今回闘う永原選手を始め

先輩達からも勝ちを星を奪っている。

彼女には悪いが相羽選手だけ1人差をつけられている。

あ、試合が始まったようです。いけませんね。何事も分析してしまう癖は。

試合が始まると先ほどの分析はどこへか、相羽選手はしっかり相手の武藤選手に喰らい付いている。

タッグでは初めてだったと思うのですが、永原選手との息も結構合っています。

両ペアが一進一退の攻防を繰り広げ、20分を過ぎたあたりだろうか。

やはり揉まれている経験の違いか、相羽選手だけ動きが落ちてきています。

そして、そこを見逃さない武藤、結城選手、狙いを相羽選手に絞って攻め立てています。


カウント2.8で起き上がった相羽選手に打撃をいれ、フィニッシュへいくのでしょう。ロープへ振る武藤選手。

「決まりましたね。」

誰もが武藤選手のフォール勝ちを予想していたと思います。

しかし、次の瞬間、

首を捕らえようとした武藤選手の腕を掻い繰り、背後に回った相羽選手。

そして、素早く武藤選手の腰をクラッチ。

高速ジャーマンスープレックス。

リング中央に綺麗な人間橋が架かる。

そしてそのまま3カウント。

客席がどよめいている。この結果は全くの想定外だったのだろう。

そして、私も。

今まで、何でも先を読んで行動していた。

しかし、今見せられたのは、全く先の予想できない世界。

この試合は私を変えました。

別の意味で、とても、プロレスと言う物に興味が沸きました。

先の読めない世界を体験してみたい。

そんな世界で自分の分析力がどこまで通用するか試してみたい。と。



それからの3ヶ月間は目まぐるしく過ぎてゆきました。

両親を必死に説得しましたが、結局、父からは許しをもらえませんでした。

しかし、私は自分の夢の為、家を出、お世話になっている柔術の道場の先生の下へ住み込みでお世話になり、練習に明け暮れました。

そして、団体の新人テスト。



何とか合格できました。

去年の自分を思えば、こんな不確定な世界に飛び込むなんて思いもしなかったでしょう。


これからのプロレスラーとしての人生、一つ、一つ答えを出していきたいと思います。


私の分析の前に解けぬ問題など、ないのですから。

P・S
あれから母から手紙が届きました。内容は励ましや応援と言った内容でしたが

父も「怪我には気をつけるようにな。」と言ってくれているようです。
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by siroichigoy | 2008-06-05 03:24 | レッスルエンジェルス